巨人・阿部慎之助内野手（３６）が２５日、都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、１億８４００万の大減俸となる３億２６００万円でサインした。球団では１３年の小笠原道大（３億６０００万減）に次ぐ、２番目に大きい減額。ベテランは悲壮感を漂わせながら、来季は高橋由伸監督（４０）のもと日本一を奪還することを誓った。

　潔く現実を受け入れた。今季年俸５億１０００万円から、来季３億２６００万となる大減俸。年俸１億円を超える選手の減額制限４０％に迫る３６％ダウンとなったが「すべての面で数字を残せなかった。いつも言っていることですが、ダメだったら下がる」と、さばさばとした表情を浮かべた。

　捕手から一塁手に転向した今季は、１１１試合の出場で打率・２４２、１５本塁打。不振に苦しみ、チームもリーグ優勝を逃した。交渉前から大減俸を覚悟しており、前日には「３秒くらいで判を押すよ」と宣言。実際には「３秒と言っていたけど、１０秒かかったよ」と笑ったが、あっさり白旗を揚げた。

　ここ２シーズンは成績が低迷。引退の２文字も意識し始め「１年でも長くやりたいと思うのは簡単だが、やるのは難しいんだなと思う」と悲壮感を漂わせた。来季に向けて「数字を言って、今まで自分にプレッシャーをかけすぎていた部分があった」と語り、目標を記す色紙には「無」と書き込んだ。

　高橋監督が現役を引退し、生え抜きではチーム最年長となった。「監督を男にできるような成績を残して、チームが勝てるように引っ張っていけたら。（オフは）毎日少しでも体を動かしたい」。もう一度、輝きを取り戻す決意を示した。