元ロッテ上野「野球スクール」地域貢献
「第二の人生、プレーボール!」
だれもが大きな夢と希望を胸に抱いて飛び込んだプロの世界だ。十分にやり尽くしたと納得してユニホームを脱ぐ選手。野球への未練を断ち切るのに長い時間を要する選手。そんな彼らの第二の人生へ。エールの思いを込めてプレーボール!
「マリーンズに残って仕事をやらせてもらいます。寂しさはないです」
ロッテ・上野大樹投手(29)は来年1月からロッテのOBが指導に当たる「野球スクール」のコーチとなる。既に施設を見学するなど下準備を終え、1月上旬のデビューを待つ。
プロ実働7年で11勝10敗。「1軍で投げたすべての試合が大切な思い出」と話すが、11年7月17日のソフトバンク戦(QVC)で、プロ初完投・初完封勝利を飾った。
「思い切りいこうと思って投げた結果でした」。この時ばかりは目を細めた。
例年のこの時期、朝7時にはQVCに来て午後2、3時まで汗を流した。この真面目な姿勢はだれもが認めるところだ。
「長所を伸ばす指導がしたいですね。野球を楽しんでほしい」
11月、トライアウトに挑んだ際には多くのファンが静岡まで足を運び応援した。
「マリーンズに入団して本当に幸せだと思った。新しい仕事では地域貢献もできれば」。上野が前を向いて笑った。