ソフトボール出身プロ選手の今
春季キャンプ紅白戦、プロ初打席、初本塁打の衝撃デビューを飾ってから4年が過ぎた。早大ソフトボール部出身の日本ハム・大嶋匠捕手(25)。1月の千葉・鎌ケ谷のトレーニング施設。新人合同自主トレを行うルーキーの傍らで、マシン打撃を黙々と行う姿があった。5年目を迎え、今年こそ1軍でプレーするという目標を立て、自主トレに取り組んでいる。
プロ入り前、ソフトボール全日本の4番を務めた大嶋は1年目の名護キャンプで見せた打力で「何か持っている」と栗山監督まで言わしめた選手だった。しかし、プロの壁はここまで厚く、この4年間、1軍に呼ばれる機会がない。「今年は1軍で結果を出すことだけですね。そこに向けてやるだけなんで」。
1軍で必ず打つ。その思いで迎えた5年目。ソフトボールから野球への転身。自身も1年や2年で、簡単に結果を残せるものではないと覚悟はしていたが、道は険しかった。「新しいことをせずに継続してやってきたことが、よくなってきた。いいので去年のフェニックスが調子よくて、その形で継続してやっていければ」。
プロ入りし、野球を初めてから、地道な努力に取り組んできた。野球の動きにつながるトレーニングを取り組んできたと振り返る。メディシンボールを使ったトレニング、バーをかついで体のバランスなどを整えるトレーニング。野球への体の使い方が分かってきた。後は結果を残すのみだ。
今年に懸ける思いは、弟・翼さんのためにという思いもある。兄の背中を追いかけ、ソフトボールを続けてきた弟・翼さんは、小・中・高、そして早大と歩みソフトボールの強豪、高崎市役所でプレーする。「頑張ってますからね」。励みとなる活躍を誓う。
「悔いを残さないようにやるだけです。(鎌ケ谷ではなく)札幌で取材されるように頑張りたい」。ソフトボールの経験、これまで携わってきたソフトボール関係者にため、1軍の舞台で結果を残す。勝負の5年目。これまで地道に取り組んできた練習の成果を見せるだけだ。(デイリースポーツ・水足丈夫)