DeNA山口 ワンシーム勝負球いける
「DeNA春季キャンプ」(9日、宜野湾)
この日の天候と同じ、晴れ晴れとした表情だった。DeNAの山口俊投手(28)がシート打撃に登板。打者8人を1安打、5三振の快投を演じた。「ワンシームが思いのほか使えた」。上々の試運転だった。
独特の軌道を描く。球速は130キロ台。右に変化しながら、沈む。右打者の内角低め。左打者には外角低め。きっちり制球された新球で、荒波、梶谷、渡辺、松本の4人を空振り三振に仕留めた。
「打ち取るイメージだったけど、バッターはまた違う反応だった。ウイニングショットにも使える」。初めて打者に投じた。成果は想定以上だった。
受けた高城は「真っすぐの軌道で来て、変化する。それで空振りが多かったと思います」と証言。梶谷は「かなり使えると思います」と太鼓判を押した。
ラミレス監督は「シーズン中もこういう姿を見たいと思えるピッチング」と絶賛する。ライバル球団も反応した。阪神の御子柴スコアラーは「コントロールもいいし、いいところから落ちている」。その落差を警戒した。
1月4日。ラミレス監督直々の電話で開幕投手を伝えられた。「新年早々うれしかった」。ここまでの投球数は978球。自覚の表れだ。「エースとしてしっかり回ってほしい」。指揮官の熱い言葉に応えて、栄光の男になる。