野村氏 久々のピッチングに上機嫌
オリックス、巨人の元投手、野村貴仁氏(47)が12日、高知市内の自宅近くで報道陣の取材に応じた。覚せい剤所持容疑で逮捕された元同僚の清原和博容疑者(48)についてなど2時間超も話した後、在京のテレビ局クルーが用意したボールを手に往年の投球フォームを披露した。
囲み取材の最後、硬球を手渡された野村氏の表情が柔らかくなった。捕手役のスタッフに向かって「どこ行くか分からんけど投げますよ」と予告。車通りが多い海岸沿いの道端で第1球を投じた。
なかなか制球が定まらず、何球もチャレンジ。「ゆっくりは投げられんのです」と断りながら、素人相手に次々と“剛速球”を投げ込んだ。最近は草野球で投げる機会もないとのことで、久々の感触を楽しんだ。
「いきなり投げられないでしょう。僕はヘルニアで(現役を)やめただけで、今は治ったから投げられます。体力的には別に落ちていない。普通の人なら投げられないでしょう」と自身の速球に満足顔。ひとたび白球を手にすると、野球少年に戻ったようないきいきとした表情を見せていた。
間近で見る元メジャーリーガーの投球ショーに、脇の報道陣からは1球1球どよめきが起こった。「僕もちょっと練習したらすぐに130、140キロぐらい出ますよ。今の投げ方を見たら分かるでしょう」と手応えを口にした。テレビ局の担当者に「今の投げている映像を流してもらえますか」とお願いすると、上機嫌で自宅に戻っていった。
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野村貴仁(のむら・たかひと)1969年1月10日生まれ、47歳。高知県出身。現役時代は左投げの投手。高知・高岡高宇佐分校から社会人・三菱重工三原を経て、1990年度ドラフト3位でオリックスに入団。中継ぎ左腕として95、96年のチームのリーグ連覇に貢献。98年に巨人にトレード移籍し、2001年まで在籍。02年は米大リーグ・ブルワーズ、03年は日本ハム、04年は台湾球界でプレーした。NPB通算344試合登板、24勝22敗39セーブ、防御率3・21。06年10月、覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕され、後に有罪判決を受けた。