“落としの熊崎”「徹底的にあぶり出す」
巨人は10日、高木京介投手(26)が野球賭博に関与していたとして、プロ野球の熊崎勝彦コミッショナー(74)へ告発書を提出した。これを受けて、熊崎コミッショナーは高木京の事案だけではなく、巨人を含めた全球団の選手まで調査の範囲を広げることも視野に入れて、賭博問題の全容解明へ努める覚悟を示した。
“落としの熊崎”が球界の信頼回復へ不退転の決意を示した。巨人側から、高木京が野球協約第180条に違反するとして提出された告発書を受理。すぐさま常設の調査委員会へ調査を委嘱し、覚悟の程を言葉に乗せた。
「高木選手、読売巨人軍はもとより、全球団について同じような有害行為等の不正がないか、徹底的にあぶり出すという覚悟を持って調査に臨みたい」
昨年10月に野球賭博問題が発覚した際も、調査委員会が調査を実施。最初に告発された福田に加え笠原、松本竜元投手の関与を明るみに出したが、野球賭博常習者のB氏から調査の協力を得られず、捜査権を持たない調査に難しさが残った。
その状況で高木京の賭博関与が発覚。この件に関わる笠原元投手とB氏へ「誠意を持った働きかけをしていく」と協力を求め、調査方法も「実が上がるような柔軟な考え方を取り入れる」と話した。
それに加え、問題の全容解明へ球団とは別に巨人全選手を聴取する可能性も「それは調査委員会に任せるが、私の趣旨は伝えてある。当然、徹底した調査をし尽くすものと信じている」と示唆した。
常設の調査委員会は委員長の大鶴基成弁護士、加藤善孝公認会計士、今年1月下旬で任期終了の野球解説者・宮本慎也氏から代わった吉田和彦弁護士の3人。さらに外部の弁護士も加えるという。
高木京の処分決定は「そんなに長くかからないと思う」としたが、全容解明には「ある程度の期間を要する」と期限を設けない方針。東京地検特捜部時代にらつ腕を振るった熊崎コミッショナーが、威信をかけて球界の健全化へ全力を尽くす。