文武両道・長田、甲子園でも宿題の山

 第88回センバツ高校野球大会(20日開幕、甲子園)の甲子園練習2日目が16日行われ、21世紀枠で出場の長田(兵庫)、釜石(岩手)など13校が聖地で汗を流した。

 文武両道をモットーにする長田のエース・園田涼輔投手(3年)は、春休み期間中に課された大量の宿題と戦っていると激白。机の前で培った集中力を武器に、初出場初勝利を誓った。釜石・沢田一輝内野手(3年)は、右足が義足というハンディを乗り越え、甲子園の土を踏んだ。

 あっという間に終了のサイレンが鳴り響いた。「本当に一瞬でした」と30分間の甲子園練習を振り返った園田。憧れだった聖地の土を踏みしめたドラフト候補右腕は現在、もう一つの“山”を乗り越えようとしている。それは春休み期間に課された宿題だ。

 「量がえげつないので…今のうちにやっておかないと最後の方は寝られなくなる」。園田はそう苦笑いで明かした。長田は兵庫県内有数の進学校で、伝統的に休暇中の宿題が多い。この春休みは8科目で約50ページの問題集が6冊。主に復習がメーンで、西岡部長は「一般的に毎日3時間程度。トータル(約2週間)で40時間は必要かと思います」と明かす。

 そのため宿舎入り後は毎日、3時間の勉強時間を設ける予定。ミーティングに使う宴会場に全選手が集まり、そろって机に向かう。センバツ出場のご褒美で免除…、とはならず大会中も野球と勉強を両立させなければならない。それでも園田は「普段も練習後は週5~6日は塾に行ってます」と、それも当然という表情だ。

 この日の練習終了前にはマウンドに立って投球練習を行い「自分が接戦に持ち込むことが大事になってくるんじゃないかと思います」と表情を引き締めた。秋もエースで4番の重責を担ったように、今や押しも押されもせぬチームの大黒柱だ。

 「そういう責任は気にせず、自分のプレーができるように集中したい」と言いつつ「勝利が一番、意識するところ。結果で応援する人が多くなってもらえれば。期待に応えたい」と園田。文武両道を応援してくれる地元の人たちに勝利を届けたい。そしてさらなる声援を送ってもらえるように-。進学校の背番号1は多くの人の思いを背に、聖地のマウンドに立つ。

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