津田さんやりました!南陽工・重冨完封

 「選抜高校野球・1回戦、南陽工6-0市和歌山」(23日、甲子園球場)

 第2試合では南陽工(山口)が完封で市和歌山(和歌山)を下し7年ぶりの初戦突破。エースの重冨将希投手(3年)は再三のピンチを切り抜け、同校では78年夏の津田恒美投手(対宇治山田商戦)以来となる甲子園での完封勝利を挙げた。

 折れそうな心を津田さんの言葉が救ってくれた。再三のピンチも強気で、開き直って切り抜けた。空振り三振で試合を締めた最後の1球は、自己最速となる140キロを計測した炎のストレート。エース・重冨の胸にあったのは「弱気は最大の敵」というあの名言だ。

 「弱気になったらピッチャーは負け。とにかく開き直ってコーナーを攻めました」と重冨。六回2死満塁のピンチでは、押し出しを恐れることなく徹底的にコースを狙ってピンチを脱した。以降も再三のピンチを招いたが、強気に腕を振って決定打を許さなかった。

 大好きな言葉に掲げる津田さんの信念-。重冨が1年生の夏、3年生と紅白戦を行う機会があった。右腕は先発したが「ボコボコに打ち込まれて、投げる球すべてが打たれそうだった」と徹底的に打ち込まれた。

 その時、マウンドから見えたのは同級生の沈んだ表情。「エースが弱気になったらチームも弱気になるというのを感じた。それで弱気になったら絶対にいけない」。そう胸に深く刻み込んだ。

 重冨の公式戦初完封は、同校にとって78年夏の津田恒美さん以来となる甲子園での完封勝利。「炎のストッパー」として名をはせた大先輩のポリシーは、今も南陽工の背番号1に受け継がれている。

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