秀岳館“キューバ撃破打法”で春初星
「選抜高校野球・1回戦、秀岳館6-5花咲徳栄」(23日、甲子園球場)
第3試合では高校野球解説者として知られる鍛治舎巧監督(64)率いる秀岳館(熊本)が、キューバ攻略戦法でドラフト候補左腕擁する花咲徳栄(埼玉)を撃破した。
打席でどっしりと根を下ろしたようなノーステップ打法が、秀岳館にセンバツ初勝利をもたらした。1点を追う三回1死満塁、プロ注目スラッガー九鬼隆平捕手(3年)が高め直球を左中間へ運ぶ逆転の2点適時打。「関東No.1左腕を打とうとやってきた」。そこから味方打線はつるべ打ち。この回5得点で花咲徳栄・高橋昂を打ち砕き「うれしかった」と笑顔を咲かせた。
鍛冶舎巧監督(64)は社会人野球のパナソニック監督やアマチュア日本代表コーチなどを経て2014年に同校監督に就任。その時から取り入れたのがノーステップ打法だ。「バットを短く持ちボールに体をぶつけさせる」と同監督。目線を下げて体のブレも最小限に抑える。「(日本代表に元ヤクルト)古田らがいた時はキューバの全盛期だったが、これで5、6勝した」と言う。
「トップクラスの投手を打てた。戦っていける自信になった」と九鬼。指揮官の“伝家の宝刀”を見事に使いこなして誇らしげだった。