由伸巨人“緊急補強”中継ぎ左腕が不足
巨人は28日、育成選手のウーゴ投手(26)、長谷川潤投手(24)と支配下選手契約を締結したと発表した。都内の球団事務所で会見した堤GMは「左投手をきちんと整備しないとダメだなと感じた」と左腕・ウーゴの“緊急登録”の理由を説明。23日に野球賭博に関与した高木京元投手との契約を解除するなど、左腕不足が顕在化する中での決断となった。
異例とも言える開幕直後の“支配下昇格”には、堤GMの強い危機感が込められていた。右横手投げの長谷川を「安定した成績を残している」と評した一方、左腕・ウーゴについては「もう少し、数試合は結果を見てからと思っていた」と前倒しを示唆。左腕整備の緊急性をうかがわせた。
決断要因は26日のヤクルト戦での2年目左腕・戸根の投球だった。8点リードの九回に登板。だが1回を投げ切れず、3安打2四球の3失点で、山口の救援を仰いだ。「少しふがいない投球。年に何回かある不調というふうにとは片付けられないと思った」。“たまたま”を強い言葉で否定し、事態を重く見た。
中継ぎ左腕が不足している現状もある。特に経験豊富な高木京は野球賭博に関与したとして契約解除となった。ウーゴの起用法のイメージを問われると「当然、中継ぎから入ってくる」と断言。いきなり代役とはいかないまでも、“賭博余波”での登用という側面もあるとみられる。
開幕3連勝と、これ以上ないスタートを切った。それでも“負”の部分に目を向け、間断なく手を打った。「左投手として、その競争の中に入ってくる力はある。1軍の戦力として呼ばれるところを目指してなんとか頑張って」。期待の言葉の中に、切実な思いが、にじみ出ていた。