「選抜高校野球・準々決勝、秀岳館２－１木更津総合」（２８日、甲子園球場）

　高々と右手を突き上げた。チームメートと抱き合い、笑顔がはじけた。秀岳館（熊本）は、敗戦の崖っぷちから劇的な逆転サヨナラで４強入り。殊勲打の堀江航平内野手（３年）は「最高です。みんなの気持ちがつながった」と胸を張った。

　０－１の九回。それまで打ちあぐねた木更津総合・早川から２四球などで２死一、三塁の好機をつかみ、まずは広部が右前同点適時打を放つ。１ボールからの２球目。それまで３打席凡退の反省を生かし、「指３本分、短く握った」というバットが歓喜の中越え適時二塁打を生み出した。

　１、２回戦は先発登板で勝利に貢献した二刀流は、「投手、野手どちらでも準備したい。自分の力を１００％出し切りたい」と言い切る。大阪・枚方ボーイズでは九鬼主将、松尾らと中学全国大会５冠を達成。高校でも頂点が確かに見えてきた。