則本 野茂、ダル並ぶ開幕3戦連続2桁K
「楽天5-3日本ハム」(8日、コボスタ宮城)
いつもチームの勝利を最優先にする楽天のエース則本が、珍しくわがままを通した。
「八回も行かせてください!」。与田投手コーチに続投の意思を聞かれ、そう言ってマウンドに向かった。
そして3点リードの八回、先頭の田中賢をフォークで空振り三振。10個目の三振を奪うと「ヨッシャ」。小さくガッツポーツを作った。開幕から3戦連続2桁奪三振は1994年の近鉄・野茂、2010年の日本ハム・ダルビッシュに続く3人目。だが3連勝となると、プロ野球史上初の快挙だ。
「勝利を優先するなら中継ぎに交代。でも7イニング、9奪三振でリーチがかかって(3戦連続2桁三振のために)わがままを言わせてもらった」
チームの勝利より、個人記録を優先するタイプならチーム内の反発を買うところ。しかしこの男はチームのためにおとこ気で投げるタイプだ。
「この記録はひとりでなし得たものじゃない。みんなで喜び合いたい。三振はチームの勝ちに直結するものじゃないけど、チームを活気づけることはできる。きょうは、苦しいながらも勝たせてもらった」。チームは今季2度目の3連勝で、優勝した2013年以来の貯金4として首位浮上。この男がいる限り、ことしの楽天は手ごわい。