次々と“戦力補強”巨人の狙い

 巨人の“戦力補強”が活発化している。3月下旬に育成選手のウーゴ、長谷川潤両投手、アブナー・アブレイユ外野手を立て続けに支配下登録。4月に入っても日本ハムとトレードを成立させ、大累進内野手を放出、乾真大投手を獲得した。

 さらに、ドミニカ共和国出身で150キロ超の直球が魅力のマヌエル・ソリマン投手との育成選手契約を締結。同じくドミニカから身長193センチのスリークオーター右腕、サムエル・アダメス投手とも近日中に育成選手契約を結ぶ見通しだ。

 これら全てに共通するのは、数か月から数年後の将来性を見込んでいるということ。トレードでは、外野手に故障者が続出して大累を緊急補強した日本ハムに対し、巨人は乾の“再生”に期待をかけて獲得に踏み切った。

 27歳の乾は、150キロ近い速球が武器の左腕。1軍で通算67試合に登板した実績もあり、堤GMは「球の力はうちのピッチングスタッフの中で上位。三振も取れる」と評価する。ただ、近年は不調で今季はイースタン・リーグで5試合に登板したのみ。4回2/3で8四球と制球面に課題を抱える現状を踏まえ、当面は2軍での調整となる。それでも、堤GMは「うちでバランスよく修正できれば十分、1軍の戦力になれる」と言葉に力を込める。

 巨人は開幕から中継ぎが失点を重ね、特に1軍レベルの左腕が不足しているチーム事情がある。乾が新天地で能力を発揮し、優勝争いの佳境を迎えるシーズン後半に1試合でも多く登板できれば、トレードに価値があったと言えそうだ。

 一方、ソリマンには数年後の“大化け”を期待する。現地でトライアウトを実施し、複数の候補から絞り込んで獲得を決定。フィールディング、クイックモーションなど荒削りな部分は多いが、堤GMは「体がでかく、威圧感もある。球が速い」と、潜在能力にほれ込んでいる。

 堤GMは「今季から3軍を作ったので、枠を広げて球団の中で鍛えていきたい」と語る。同じく3軍制を敷くソフトバンク同様、環境面での強みを生かして戦力を底上げし、長期的視野で常勝球団を構築していく方針だ。(デイリースポーツ・佐藤啓)

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