オリ・モレル雨らめし…2発消えた
「楽天(降雨ノーゲーム)オリックス」(21日、コボスタ宮城)
こんなにツイてない男がいるだろうか。降雨ノーゲームが宣告されると、オリックス・モレル内野手はいつものように静かに道具を片付け始めた。とてもきょうが29歳の誕生日で、来日1号に続いて2号を放ったにもかかわらず、すべてが幻となったとは思えない穏やかな表情だった。
試合開始早々、待ちに待った一発を放った。初回2死二塁でレイの138キロを豪快にバックスクリーン左へ運んだ。この時ばかりは鉄仮面のように表情を変えない男が、ナインのお出迎えにニッコリと白い歯を見せた。
3点を追う三回には糸井の一発に続き、今度は左中間スタンドへ運ぶ2打席連発の2号。ところが、その裏1死となったところで雨が激しくなり中断。そのままノーゲームとなった。
「残念だけど何とも言えない。ホームランが消えた経験?ない。起こったことは自分ではどうしようもない」
淡々と答えた。これもいつものモレルだった。穏やかな性格。何かに腹を立てるところも、はしゃぐところも見たことがない。自身も「おとなしい性格だから」と認める珍しい助っ人だ。
福良監督は「きょうみたいなスイングをしてくれたらいい。本来の持ち味が出ていた」と復調の足掛かりになることを期待した。幻にはなっても、ムダにはしない。