井納完封!ラミDeNA一番乗り
「巨人0-3DeNA」(23日、東京ドーム)
不安いっぱいの先発マウンドだった。試合前のブルペンはバラバラ。直近の16日のヤクルト戦では、5回11安打4失点と打ち込まれたばかり。DeNA・井納翔一投手は最後の手段に踏み切った。「開き直りました」。終わってみれば「0」を9つ並べる快投だった。
9回116球を投げて5安打9奪三振。今季チーム完封勝利一番乗り。球団史上、巨人戦完封勝利は09年のランドルフ以来7年ぶりで、日本人投手に限れば05年の土肥以来11年ぶり。もちろん、DeNAになってからは初。そんな快挙にも「そうなんですか?」。キョトンとする“ハマの宇宙人”がいた。
大胆。そして繊細だった。最速149キロの直球に、抜群に切れたフォークが武器。容赦なく内角を突き、低めを徹底した。「全部が勝負球だった」。「誰に何を投げたか、正直、覚えていない」。そう振り返った。
ラミレス監督は「七回に3点入って、最後までいこうと考えた」と明かす。キャンプ、オープン戦を経て評価は先発6番手争い。代役ながら開幕投手を務めて勝利。そしてこの日の完封劇。低評価を覆す右腕に「素晴らしいピッチングだった」と絶賛した。
新人時代の13年9月28日。前日の練習に遅刻し、試合前に大説教を食らった後にプロ初完投を飾ったのも巨人戦だった。当時も「開き直って大胆に」。同じ心境が2度目の完封勝利を導いた。