DeNA井納 憧れ球児の前で3勝目
「阪神2-3DeNA」(30日、甲子園球場)
エースの風格さえ、漂わせた。DeNA・井納翔一投手(29)が7回を3安打無失点。完封した23日の巨人戦から16イニング無失点の好投で、連敗を止める3勝目を挙げた。
「藤川さんもいいピッチングだった。1点を守るのが最低線だった」
投げ合った相手。藤川球児。特別な存在だった。「真っすぐと分かっていても空振りがとれる。ああいうボールを投げたい」。その“火の玉”と形容される直球に憧れさえ抱いていた。
“火の玉”は投げられない。それでも、力のある内角球を駆使して好投につなげた。「困ったときは、インコース。相手が分かっていても自信のある球で打ち取れた」。自分自身の持つ最高の武器で、勝負した。
球数91球。余力を残しての交代に「もう1回行きたかった。悔しさもある」と少し消化不良気味だった。5月1日は30歳の誕生日。20代最後の日に飾った勝利。「打席で見た藤川さんの真っすぐは、すごい伸びでした」。あらためて敬意を表した。