失われた大谷の制球 肉体改造の代償?

 「日本ハム3-6西武」(15日、札幌ドーム)

 日本ハム・大谷は敗戦につながった失投を悔やんだ。同点の七回無死一、二塁。中村へ投じたフォークが真ん中に甘く入った。中堅左へ飛び込む3ランを見届けると膝に手を当てて、うな垂れた。「投げる場所が悪い。もっと低くいかないと」。勝負どころで制球が乱れて4敗目。いまだ1勝止まりのエースは反省の言葉を連ねた。

 今季を象徴するマウンドだった。

 1点リードの五回無死一、二塁。メヒアを迎え、ギアを一段上げた。3球目は自己最速タイの162キロを計測。この回、浅村への3球目にも162キロをマークした。この試合の160キロ超えは計7度。持ち前の球威で11三振を奪った一方で、失点した四、五、七回はいずれも四球が絡んだ。

 計5四球。6回4失点だった前回登板の西武戦後、栗山監督は制球の甘さを敗因に挙げたが、今季は昨季と比べて、四死球の多さが顕著だ。昨季は8試合を終えた時点で18四死球だったが、今季は同じ8試合を終えて28四死球と、明らかに制球に苦しんでいる。

 ある球団のスコアラーは現状を踏まえて、「力んで、引っかかるボールがある。上体が大きくなった分、腕を振るのに余計に力が必要になるのか、フォームがぶれる時がある」と、昨オフの肉体改造との因果関係を指摘した。93キロから4キロ増量したボディーで球威は増した。一方で、フォームのバランスが微妙に崩れていると分析する。

 「1球1球、納得のいくボールを増やさないと。それができていない」と大谷。昨季の輝きを取り戻すには、何より制球の向上が必要不可欠だろう。

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