オリ金子100勝「ケガのおかげ」
「オリックス6-4ロッテ」(20日、京セラドーム大阪)
オリックス史上2人目となる100勝達成。金子千尋投手は記念のボールを大事に受け取った。
「(ウイニングボールは)オフにファンの人にあげるけど、これはというものは置いています。これは家に置いておきます」
簡単な試合ではなかった。今季2度目の中5日での先発。初回は2四球から2死一、三塁のピンチを迎えるが、角中の中前へ抜けようかという当たりを西野が好捕。六回2死三塁のピンチでは144キロ直球でデスパイネを空振り三振に斬った。ロッテとは今季4度目の対戦。「変化球についてきていたので」と傾向に合わせて自慢の変化球から直球勝負に切り替えた。
7回2失点。最後はリリーフ陣の助けを借り3勝目を挙げた。
「入って来たときのことを考えればできたこと自体が驚きです」
04年度ドラフトの自由枠で入団したが、右肘を故障して投げられる状態ではなかった。1年間はリハビリが中心の生活。1軍デビューは2年目だった。
「ケガをしたのが大きかった。ここまで自分の体について考えることもなかったと思う。リハビリすることで対処方法を身につけることができた。ケガのおかげですね」
苦しみの中から活路を見いだす。これこそが金子の真骨頂なのかもしれない。100の勝ち星に対して負けはわずかに56。それでも満足などしない。「少ないに越したことはない。さらに勝率を上げたい。もっと相手チームに圧倒的な威圧感を与える投手になりたい」。常にどん欲にさらなる高みを目指す。