ハム大谷圧巻!163キロ5回も計測!
「交流戦、日本ハム6-0阪神」(12日、札幌ドーム)
日本ハム・大谷翔平投手(21)が12日、札幌ドームで行われた阪神戦で交流戦史上初めて指名打者を解除し、「5番・投手」で出場。自身が持つ日本最速タイの163キロ直球を連発し、7回無失点で5勝目を挙げた。前回登板の5日・巨人戦で初めて出した163キロを計5度計測。進化する二刀流は、99奪三振でリーグトップにも立った。
超快速球の連発に、両軍のファンでぎっしりと埋まったスタンドが、1球ごとにどよめいた。「(前日に)負けていたのでどうしても取りたかった。リズムをつくりたかったので、初回から全力でいきました」。いきなりの全力投球で本拠地の空気を支配し、試合の流れを引き寄せた。
先頭・鳥谷の初球に早くも160キロを計測。追い込んでからフォークで空振り三振に仕留めると、続く西岡への3球目だ。
伸び上がった真ん中直球は、自己最速タイの163キロをマーク。その余韻が冷めやらぬ中、4球目も163キロでファウルを奪った。最後は143キロのフォークで空振り三振。ゴメスには初球の163キロで空を切らせると、最後は高め162キロで空振り三振。開始早々、3者連続三振で度肝を抜いた。
三回には梅野の3球目のファウル、五回にも高山の4球目のファウルが163キロに達した。160キロ以上は実に31球。「自分の中で自信のある、楽にしてくれるボールが今日はよかった」。女房役の大野も「球質がよかった。ミットに入った瞬間の力強さがね」と異次元のスピードに感嘆した。
開幕直後は不振を極めた「投手・大谷」だが、5月22日・楽天戦から4連勝と上昇カーブを描く。昨オフの肉体改造でパワーアップした体のメンテナンスは日々欠かさない。5月上旬に肩、肘のケアのため、超音波治療器「フィジオアクティブ」を約40万円で購入。「セルフケアはしっかりやっていかないといけない」。充電式の持ち運び可能な医療機器を使用し始めてから、状態は右肩上がりだ。
昨年6月の交流戦で敗れた阪神に、7回を3安打8奪三振無失点の快投でリベンジを果たした。「余力のある中で、いいストレートをたくさん投げられた。勝ちにつなげられるようにパフォーマンスを上げていきたい」。打者では無安打に終わったが、充実の107球に笑顔がこぼれる。自信に満ちた二刀流。163キロ超えも、時間の問題と言っていいだろう。