工藤鷹2年連続の交流戦最高勝率
「交流戦、阪神4-8ソフトバンク」(19日、甲子園球場)
交流戦で大ブレークした30歳の一振りが、ソフトバンクの2年連続の“頂点”への流れを決めた。五回、今宮の押し出し四球で先制した直後の2死満塁。城所は冷静だった。カウントは3ボール1ストライク。「相手投手のコントロールが荒れていたので」と左腕岩貞の直球を狙い打った。右翼席へ自身初の満塁本塁打。「奇跡!」。一塁を回ったところで右手を上げた城所は、歓喜を短い言葉で表した。
昨季まで通算1本塁打だったが、交流戦だけで5本塁打。打率・415で首位打者をほぼ確定させ、最優秀選手も濃厚だ。「一試合一試合、自分の力を出し切ることだけ意識した。(阪神3連戦の前に交流戦の)首位打者の可能性があると知って初めて重圧を感じた」。それでもこの日は「勝つしかない試合。何が何でもチームに貢献しよう」と気持ちを切り替えたという。
工藤監督は城所について「すごいところで打つね」と驚きながらも、こう続けた。「練習に行くと(他の選手は休日でも)必ず彼の姿があった。野球の神様は見てくれていると思った」と、ひたむきな努力をたたえた。
リーグ戦再開前に貯金は今季最多の27。「選手が集中力を切らさず戦った」と目を細める工藤監督は「3連覇という目標もあるが、まずは3連戦を勝ち越すこと」と、いつもと変わらぬ言葉を残した。