Fレアード覚醒の秘密…メヒアのマネ
来日2年目の今季、リーグトップタイの22本塁打を記録し、西武・メヒアとし烈な本塁打王争いを展開する日本ハムのブランドン・レアード内野手(28)。来日1年目の昨季、前半戦終了時の打率が1割台で規定打席到達者の中で最下位だった男が、優良助っ人に変貌を遂げた。今やチームに欠かせない長距離砲の成長の裏側には、相手投手のデータ分析の徹底と模倣にあった。
昨季の前半戦終了時の打率は・186とリーグ最下位に低迷していた。栗山監督は当時について「7月かな。外そう、外そうと思ってる時に、監督室に来ては『明日こそ打つ』って言ってきてたよ。今思えば、外さないでよかった」と振り返る。構想外寸前だった助っ人が、優良助っ人へと変貌した要因は何か。
城石打撃コーチは姿勢を評価する。「(ベンチ)裏でピッチャーの映像をよく見てるし、癖とかを探すのは好きそう。研究熱心な選手」。相手投手の研究、分析を入念に行う姿勢を一因に挙げた。
一方でレアードは「昨年序盤は低めの変化球に手を出して、クルクルとバットが回ってた。日本の投手は制球がいいし、日本はアメリカより我慢が必要なんだと学んだ。甘い球は1球しか来ないと思って打席に入っている」と、忍耐と好球必打の精神が飛躍的な成長を遂げた要因だと自己分析した。
特に参考にしているのは、ライバル打者の映像。「メヒアの映像は参考になる。狙い球の打ち方とか、打った時の配球の絞り方とかね」。その研究成果が今季の数字につながっている。
昨季、ソフトバンク・バンデンハークには11打数1安打の打率・091と抑え込まれたが、今季は7打数5安打の同・714、2本塁打。武田にも昨季は8打数無安打と封じられたが、今季は5打数2安打の打率・400、1本塁打と、天敵をカモに様変わりさせた。「うちはチャートやデータが豊富だからありがたい」とスコアラー陣への敬意も忘れない。
本塁打を放った際の決めポーズでもあるスシが好物。お気に入りのネタはあぶりトロ。今では納豆も食べられるようになった。「札幌が好きなんだ」。郷に入りては郷に従え-。日本文化になじみ、溶け込んだ助っ人が、リーグ戦再開後もアーチを量産する。