DeNA久保 古巣相手に3安打完封
「阪神0-3DeNA」(30日、甲子園球場)
表情ひとつ変えないまま、DeNA・久保康友投手(35)は戸柱と軽くタッチを交わした。五回まで完全。9回109球を投げきって、被安打は3、無四球。二塁すら踏ませずに、ちょうど1年ぶりの完封勝利を飾った。
「完全試合?五回で意識する人間っています?」と笑みをもらした。緩急自在に、低めそして内外角をついた。効果的だったのは緩い変化球。「若い選手がブンブン振ってきたからね。それで多くなった」と説明した。
「帰ってきてくれ」。「さすが阪神にいた久保だ」。スタンドから虎党の悔やみ節が響いた。13年まで5年間在籍した阪神時代から、進化したスタイルだった。27のアウトのうち、三振は6、外野飛球は5、ゴロアウト12を含む16個を内野に処理させた。
「ハマスタでは上に上がったらホームランになる。投げていて自然に覚えた。阪神の時はそんなピッチングはしなかった。丁寧に高さに気をつける。うまくはまりました」
交流戦明けの4試合は、先発投手の防御率が8・03と崩壊。ラミレス監督は「“素晴らしい”以外の言葉が見つからない」と絶賛した。必殺仕事人は「終わった瞬間、次の準備は始まってますから」とポーカーフェースの理由を明かす。暑い夏、ベテランが頼もしい。