NPB異例措置 東京五輪期間中は中断
日本野球機構(NPB)の機構理事会とプロ野球12球団の実行委員会が4日、都内で開かれ、東京五輪が開催される2020年のシーズン日程について協議し、五輪期間中は全面的に公式戦を中断する方針を固めた。11日に行われるオーナー会議での承認を経て、正式決定となる見込みだ。
球界でも異例となる長期間にわたる公式戦中断。熊崎コミッショナーは「五輪期間中は公式シーズンを休止していく方向で実行委員会、(機構)理事会段階ではまとまった」と説明した。
2020年東京五輪は7月24日の開会式から8月9日の閉会式までの日程で行われる。期間中すべてで公式戦を中断となれば、17日間でプロ野球が行われないことになる。
プロ選手が参加した00年のシドニー五輪以降、04年アテネ五輪、08年北京五輪と、日本代表の試合が組まれている日に部分的な公式戦中断はあったものの、長期の公式戦で中断した例はない。
64年の東京五輪は10月開催だったため、雨天順延となった日本シリーズの1試合が大会日程と重なったが、シーズンの公式戦を中断することはなかった。
それだけに五輪期間中の全面中断は異例の決断となるが、熊崎コミッショナーは「プロ野球界として全面的な協力を行うことは一貫した姿勢で、揺るぎないもの」と全面協力の意志を強調した。
東京五輪での野球競技については、6月12日のIOC理事会で追加種目として提案されており、8月の総会での正式決定を経て競技実施となることが有力。球界全体での全面協力は、東京五輪での種目復帰へも大きなアピールとなる。
今後はNPBと12球団で開幕時期の前倒しや、CSと日本シリーズの間隔を詰めるなど、中断される期間についての対応策を検討していくことになる。