小豆島“最後の夏”ヒヤヒヤ発進 今春21世紀枠で出場
「高校野球香川大会・2回戦、小豆島1-0藤井」(11日、四国コカ・コーラボトリングスタジアム丸亀)
1回戦2試合と2回戦2試合が行われ、今春センバツに21世紀枠で出場した小豆島が初戦を突破した。打線が5安打1得点と苦しんだが、エース左腕・長谷川大矩投手(3年)が4安打完封の快投で1点を守り抜いた。また、第3シードの志度が終盤の逆転で津田に敗れる波乱があった。
苦しんだ夏の初戦。エース・長谷川の巧みな投球が小豆島を救った。わずか87球で4安打完封。二回に奪った1点を守り抜いた左腕は「1点差の試合は慣れているけど、やっぱりしんどかった」と大粒の汗を拭いながら笑った。
援護がなくても冷静沈着。初回に1死三塁のピンチをしのぐと、三回1死一、二塁の場面では相手2番打者を「狙い通り」に二ゴロ併殺に打ち取った。序盤は内角直球を多投。相手打線がその内角を狙い始めた中盤以降は外中心の組み立てに変え、凡打の山を築いた。植松裕貴捕手(3年)との頭脳的な配球が光った。
甲子園初出場を果たして島を熱狂させた今春センバツ。初戦で釜石との“21世紀枠対決”に敗れたナインは島に戻ってミーティングを開き、「甲子園で校歌を歌う」ことを夏の目標に定めた。
来年春には島内のもう一つの高校、土庄と統合され「小豆島中央」に校名が変わる。これが小豆島として出場する最後の夏。母校がなくなる前に夏の聖地に連れて行ってほしいというOBや島民の期待は熱い。
打線は相手先発・山田の140キロを超える直球を打ちあぐねた。杉吉勇輝監督は「苦しかったが、長谷川がよく頑張ってくれた」とエースを称えた。「自分は期待されると燃えるタイプ。一戦必勝で勝ち上がりたい」と長谷川。「最後の夏」は簡単には終わらせない。