マドンナJ“女牛若丸”小島也弥、夢舞台W杯へ
世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が主催する第7回女子野球ワールドカップが、9月3日から韓国・釜山近郊で行われ、日本は大会5連覇を目指している。高知、新潟、沖縄と続いた強化合宿を経て、侍ジャパン女子(通称・マドンナジャパン)の代表選手20人が確定した。初選出は6人。世界デビュー、そしてジャパンをけん引するような成長が期待されるフレッシュな顔ぶれを中心に紹介し、女子野球の魅力や現状に迫る。
スポーツバッグに「牛若丸」と書かれたアクセサリー。小島也弥(20)=環太平洋大=のプレーを一目見れば、誰もがうなずくはずだ。
川端友紀、厚ヶ瀬美姫というプロ2人に、金由起子、六角彩子、平賀愛莉と経験豊富な陣容の内野。しかし小島は並外れたバネと、外野も守れる器用さで、メンバーに割って入る可能性を感じさせる。
大倉代表監督は、環太平洋大の監督も兼務する。直々の教え子の選出は、ともすれば不協和音にもつながりかねないと危惧もしていたが、小島と田口真奈(19)=同=の選出に、異論が出るはずもない。
島根・宍道湖畔で生まれ育った自然児。「やっと身長が154センチ、体重が50キロに届いたんです!」と、真っ黒な顔で屈託なく笑う。
もちろんチーム一のミニサイズだが、武器は元気、バネ、そして体に染みこませた大倉野球だ。「本当は“ボーン”って打球を飛ばしたい気持ちもありますが、できないから。だったら自分を生かせる、考える野球。それもすごく楽しいです」。相手の隙を見逃さない攻撃、どんな打球も嗅覚鋭く反応する守備で、“女牛若丸”が世界をあっと言わせる。