京都広学館・高津佐監督に生徒が2年越しの誕生日星をプレゼント
「高校野球京都大会・4回戦 京都広学館8-6乙訓」(20日、わかさスタジアム京都)
京都広学館が乙訓の猛追を振り切り、3年ぶりにベスト8へ進出した。高津佐宗克監督(52)はこの日が誕生日で、昨年は同日に京都工にサヨナラ負け。「白星をプレゼントします!」と試合前に約束していた前野祐輝外野手(3年)がリリーフで好投し、うれしい白星を指揮官にプレゼントした。
イヤな記憶が指揮官の頭をよぎった。四回までに8-0の大量リード。「どこかの決勝で8-0から逆転されたこともあったし、選手には気を抜かないように言ってたんですが…」と六回から相手の猛攻が始まった。
コールド勝ち寸前からたちまち2点差に。昨夏、7月20日に京都工との一戦でまさかのサヨナラ負けを喫した。その時の苦い思い出がよみがえる展開に。しかし、ここでチームの窮地を救ったのが試合前に約束を交わした前野だった。
力のある直球を主体に七回のピンチを断ち切ると、八回は3者連続三振。九回も安打こそ許したが、きっちりと後続を仕留め「白星をプレゼントできてうれしいです」と言う。
前野は昨夏も3番・中堅で試合に出場していた。「去年、監督はけっこう落ち込んでいた。白星をプレゼントできてうれしい」と2年越しの“誕生日プレゼント”に満面の笑みを浮かべる。
将来は体育教師、高校野球の指導者を目指しており「監督さんはちょっと怖いですけど、尊敬できる人。教え方がすごく分かりやすい。野球が好きなので、指導者になりたいと思っています」と前野。同校の最高成績は3年前の4強。「そこまで勝ち上がりたい」と力を込めた。