虎も熱視線! 作新・今井 MAX149で初完投勝利

 「高校野球栃木大会・準々決勝、作新学院6-4文星芸大付」(21日、栃木県総合運動公園野球場)

 作新学院のプロ注目右腕・今井達也投手(3年)が準々決勝の文星芸大付戦に先発し、公式戦初完投勝利を挙げた。4失点を喫したものの、自己最速タイの149キロをマーク。集まった10球団のスカウトも高評価を与えた。

 小雨が降る中でのマウンド。最後まで今井の球威は衰えなかった。最終回も140キロ台後半を連発。150球の熱投で公式戦初完投勝利を飾った右腕は「自分一人で投げ切って勝ちたいと思っていた」とはにかんだ。

 初回から自己最速タイの149キロを計測。「キャッチボールからいい球がいっていた」と振り返る。一方でボールが暴れ、6四球。4失点すべてに四球が絡み「課題です」と反省を忘れなかったが、高い存在感を示した。

 今春は登板せず、ウエートや走り込みを中心に鍛えた。今大会は6連覇がかかることから、400メートルの目標タイムを1分6秒に設定するなど「6」の入った数字を絡めての鍛錬。投げない日々の中、モチベーションを高めて初完投につなげた。

 ネット裏には10球団のスカウトが集結。阪神・平塚スカウトは「真っすぐに力がある。いい素材なのは間違いない」と話せば、巨人・山下スカウト部長は「フォームのバランスがいい。2位までに消えるんじゃないか」と高評価を口にした。

 昨年の秋季大会で敗れた相手に雪辱し、4強進出。エースは「あと2勝。一つ一つ勝っていく」と力を込めた。昨夏はメンバー落ちし、アルプスから見つめた聖地のマウンド。今年は自らの腕で、全国の舞台への道を切り開く。

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