創志学園・高田3戦連続完投!驚異の防御率0・31
「高校野球岡山大会・準決勝、創志学園7-1おかやま山陽」(24日、マスカットスタジアム)
岡山大会では、創志学園のドラフト上位候補・高田萌生投手(3年)が、9球団19人のスカウトが視察する中で最速150キロを計測し、6安打1失点完投。昨夏、終盤に逆転負けを喫し甲子園を逃した因縁の決勝へ、駒を進めた。
ゲームセットの瞬間も高田の表情は変わらなかった。その視線は“因縁の決勝戦”を見据えていた。最速150キロを計測し、6安打1失点での完投。調子が悪くても簡単に崩れない姿は、絶対的エースの真骨頂だ。
立ち上がりからフォームのバランスが安定しなかった。「調子自体は良くなかったけど、悪いなりに抑えられた」。相手が直球狙いと判断すると、スライダー主体に配球を変えた。八回に犠牲フライで今大会初の自責点を喫したが、3試合連続完投で防御率は驚異の0・31。長沢宏行監督(63)は「春と比べても全然違う。好投手の仲間に入ったと思います」と目を細める。
センバツ後、プレートの踏み位置を真ん中から三塁側へ変えた。「アウトローへの角度をつけるために、できるだけ前でリリースするように意識してます」。ボールに横の角度がついたことで、7割程度、140キロ台前半の直球でも「外野の頭を越されることがなくなった」という。
この日も力を抑え気味に、相手を牛耳った高田。昨夏は全力で投げ続けた結果、「集中力を欠いて打ち込まれた」と決勝戦終盤に連打を浴びて逆転負けを喫した。
もう同じ失敗は繰り返さない。「去年と比べても疲労はない。自信はあります」と胸を張った背番号1が、全身全霊をかけて“あと1勝”をつかむ。