市尼崎 池山コーチ以来33年ぶり甲子園!平林が鼻血に耐え2失点完投&V二塁打
「高校野球兵庫大会・決勝、市尼崎3-2明石商」(28日、明石トーカロ球場)
市尼崎がセンバツ8強の明石商に逆転勝ちし、楽天・池山隆寛打撃コーチが出場した1983年以来、33年ぶり2度目の甲子園出場を決めた。エース・平林弘人投手(3年)が9安打を浴びながら2失点完投。自らの決勝二塁打で勝利を呼び込んだ。
エースの意地で33年ぶりの聖地へ導いた。平林は139球の熱投で2日連続の完投。今春のセンバツで快進撃を見せた明石商打線を2点に抑えた。
波乱の展開だった。四回は鼻血で、六回は打球をみぞおちに受け、平林は2度治療でベンチに下がりながらもマウンドを守った。1点を追う七回には、2死一、二塁で飯田泰成内野手(2年)が左前打を放つと、打球を追った明石商の三塁手が二塁走者に衝突。走塁妨害で二塁走者の生還が認められ、同点に追い付いた。
そして八回1死二塁で平林が右越えに勝ち越しの決勝二塁打。「抜けた瞬間『オッシャー』と思ったが、勝利は意識しなかった」。冷静に切り替え、最後までリードを守った。
1月の右足小指骨折を克服し、今大会は引き分け再試合を含む7試合、計57イニングを投げ抜いた平林。「ケガを恨んでも仕方ない」と6月の練習試合で連投を重ね、投げ込み不足を解消した。
33年前は現楽天の池山コーチを擁し、甲子園で3回戦進出。「池山さんの名前は聞いたことはあるけど…」と平林が話すように、現役選手たちの印象は薄いが、名門の魂は息づいている。前田大輝主将(3年)は「OBにはすごい選手が大勢いる。僕らは新たな歴史を作る」と、先輩を超える活躍を誓った。