市和歌山 藪井の千金2ランで夏切符 肘手術乗り越え公式戦初アーチ
「高校野球和歌山大会・決勝、市和歌山2-0箕島」(28日、紀三井寺球場)
背番号13が一振りで決めた。0-0の八回1死二塁、市和歌山の3番・藪井幹大外野手(2年)がど真ん中の直球を左翼席へ運ぶ2ラン。「頭が真っ白で覚えてない」。うれしい公式戦初アーチは同校2年ぶりの夏の甲子園切符となった。
試合は市和歌山の赤羽陸投手(3年)、箕島の福居蓮矢投手(3年)の投手戦。「1点でもいいから取ってやろうとしっかりスイングした」。思いの強さはひとしおだ。
藪井の右肘はもう真っすぐには伸びない。小学校時代から右肘痛に悩まされ、今年5月末に滑膜切除手術を受けた。2週間後には打撃練習を開始したが「ほぼあきらめていた」という夏だった。
半田真一監督(36)は「振り抜いてくれた結果。ナイスバッティング」と絶賛した。決勝では二塁打2本と2ランの3安打。リハビリ中に鍛えた左腕や下半身が好調を支える。右肘痛を抱えて出場したセンバツは代打で二塁打を放ったが、チームは初戦敗退。春夏連続出場に、藪井は「今度はチームのためになりたい」と本領発揮を誓った。