侍JAPAN監督に松井氏浮上 東京五輪で野球復活
国際オリンピック委員会(IOC)の総会が3日(日本時間4日)、ブラジル・リオデジャネイロで開かれ、2020年東京五輪の追加種目として、野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの5競技18種目の採用が正式決定した。これを受け、野球・ソフトの関係3団体が都内のホテルで会見し、プロ野球の熊崎勝彦コミッショナー(74)は五輪代表監督の理想像を披露。候補に元巨人、ヤンキースの松井秀喜氏(42)が浮上した。
午前4時46分-。歓喜の一報が届けられた。08年の北京五輪以来、3大会ぶりの種目復活。「大変喜ばしい。野球の底力とすばらしさを世界に示す絶好の機会を得た」と、熊崎コミッショナーの言葉も熱を帯びた。
東京で行われる最高の舞台で、華々しく復活する野球。だからこそ「感激と誇り、勇気を与えなければ。そのためには勝つこと」と話すように、未来へとつなぐ結果が求められる。注目されるのが五輪での代表監督だ。
会見で熊崎コミッショナーは五輪監督の理想像について「五輪は格別の重圧がある。この重圧にしっかりと耐え、選手個々の力を100%出し切る指揮ができる。統率の取れた形で臨んでいける。こういった要素が必要となる」と語った。
それらの条件を備え、五輪の舞台にふさわしい監督候補として待望されるのが、巨人、ヤンキースの名門球団で数々の大舞台を踏んできた松井秀喜氏だ。
プロ入り後の代表経験はないが、ヤンキース時代の09年にはワールドシリーズでMVPに輝くなど、大舞台でも勝負強さを発揮。恩師・長嶋茂雄氏とともに国民栄誉賞を受賞するなど、人気、人柄の面でも申し分ない。
「(五輪監督は)現時点で具体的に検討しているわけではない。プロアマの野球協議会で監督の選考方法を含めて検討されていくと思う」と熊崎コミッショナー。具体的な人選などの議論はこれからとなるが、実現すれば野球ファンだけでなく、国民全体の注目を集めるのは間違いない。
東京五輪での金メダルへ-。球界全体が目指すのは指揮官、選手を含めた最強の「ドリームチーム」結成だ。五輪復活が正式に決まった今この時から、踏み出す歩みの一つ一つが、大きな夢へとつながっていく。