出雲に立ちはだかったセンバツ覇者 島根県屈指の進学校散る

 「全国高校野球・1回戦、智弁学園6-1出雲」(7日、甲子園球場)

 今春、21世紀枠の選に漏れたことをバネにして、自力で初めての甲子園切符をつかんだ島根県屈指の進学校、出雲。

 右の原暁投手(3年)、左の加藤雅彦投手(3年)のダブルエース制で県大会を勝ち上がってきた。

 この日も先発・原が三回途中まで3失点し、なお2死一、三塁のピンチで、加藤が登板し後続を断つ。八回には加藤が3本の長打を浴びると、今度は原がマウンドに戻り、このピンチを断ち切る。

 そうした工夫すら跳ね返す智弁学園の打力に、背番号「10」を付け、脇役としてチームを支えてきた吾郷寛太主将(3年)は「すごい応援に、恩返しをしたかったけど、レベルが違いすぎました」と振り返った。

 最後は5点の差を付けられて試合終了を迎えた原は「島根大会ではファウルになってくれるようなボールも、対応してくる。レベルの高さを痛感しました」と敗戦を振り返った一方、「みんなに支えられてここまでこられたのでもう少し長くやりたかったけど、最高の舞台で最高の相手と戦えたのは幸せでした」と話した。

 涙も乾き、落ち着いて敗戦を受け入れた原は「野球で培った精神力を受験に向けます」と、スポーツ記者という将来の夢を実現するため、国公立大を目指して今度は勉強に励む。

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