九州国際大付 鮮やかな“ダミープレー”で先制点防ぐ
「全国高校野球・1回戦、盛岡大付8-6九州国際大付」(7日、甲子園球場)
九州国際大付はシーソーゲームに敗れ、初戦で姿を消した。それでも初回、中堅を守っていた山脇彰太外野手(2年)がプロ野球選手顔負けの“ダミープレー”で失点を防ぐシーンがあった。
1死二塁から相手打者が放った打球は痛烈な勢いで山脇の頭上を襲った。「越えるか、スタンドに入るか」。そう感じた山脇は背走をやめ、クルリと正面を向いて捕球態勢に入った。
この動きにハーフウェーまで進んだ二塁走者は完全にストップ。すると打球は頭上を越えてフェンスを直撃した。慌てて二塁走者はスタートを切ったが、完ぺきにクッションボールも処理。すぐさま内野へ転送し、中越え二塁打で二塁走者の生還を防いだ。
しかも、驚くことに「試合でやったのは初めてです」と山脇。一度、右翼を守る先輩がやっていたのを見たことがあった。その記憶が瞬時に脳裏をよぎり、完ぺきなダミープレーを完成させた。「これで点が入らなかったら、こちらに流れが来ると思った」と振り返る。
だがチームはその後、先制点を献上。打ち合いの末、敗れた。山脇は2安打を放ちながらも「負けてしまったんで。最後のチャンスで外野にヒットを打っていたら違っていた…」。3年生と一緒に臨んだ最後の夏が終わり、肩を落としていた。