横浜・藤平13K甲子園デビュー いきなり松坂に並んだ!
「全国高校野球・1回戦、横浜7-1東北」(9日、甲子園球場)
春夏5度の甲子園優勝を誇る横浜(神奈川)が快勝し、初戦を突破した。今秋ドラフト1位候補の最速152キロ右腕・藤平尚真投手(3年)は七回途中1失点、13奪三振の力投で聖地デビュー。2回戦はドラフト1位候補左腕・寺島成輝投手(3年)を擁する履正社との対戦が決まった。八戸学院光星は33年ぶり出場の市尼崎を振り切り、今大会初の延長戦を制した。山梨学院、常総学院も2回戦に進んだ。
あふれんばかりの力を、憧れ続けた聖地で解き放った。これが横浜の背番号1だ。「この舞台で投げることを夢見て練習してきた。とても気持ちよかった」。圧巻の13K発進。藤平の全身から充実感がにじんだ。
初回の初球、147キロの表示にマンモスがどよめく。先頭から5者連続三振。メジャースカウトのスピードガンでは最速150キロを計測した直球で奪った三振は11を数えた。「どんどん直球で押していけたのでよかった」。昨秋関東大会準々決勝で敗れて以降、磨き続けた武器。日付が変わる直前まで自転車をこいで下半身強化を図った努力が実り「成果が出ているかな」と、表情を緩ませた。
偉大なOBの数字に、デビュー戦で肩を並べた。松坂大輔(ソフトバンク)は、甲子園では1試合13奪三振が最高。名門の右腕エースの系譜を継ぐにふさわしい実力を示した。先輩が躍動した聖地に立ち「まだまだ松坂さんや涌井さん(ロッテ)の足元にも及ばない」と恐縮しながらも「勝ち続けていけば、少しずつ近づいていけるかな思います」と、意欲を口にした。
次戦は対戦を熱望していた履正社が相手。親交がある寺島との激突に「一番いいと思っている投手と投げ合える。絶対に勝ちたい」と目を輝かせた。遅れてきた大器が、最強のライバルを倒し、全国制覇に突き進む。