絶対エース・里&攻守の要・六角 マドンナの双璧が5連覇へ導く

 侍ジャパン女子代表(通称マドンナジャパン)が出場する世界野球ソフトボール連盟(WBSC)主催第7回女子野球ワールドカップが9月3日に韓国・釜山近郊で開幕する。何が起きるか分からない国際大会の大舞台で、5連覇を懸けて戦うプレッシャー。これをはね返す“キーウーマン”、マドンナジャパンの屋台骨を支えるプレーヤーたちにスポットを当てる。

 困ったら、この2人が必ず、何とかしてくれる。そんな安心感を与えてくれるのが絶対エース・里綾実(26)=女子プロ野球・兵庫ディオーネ=と、攻守の要・六角彩子(24)=クラブチーム・侍=の2人だ。

 いずれも今回が4度目のW杯出場。六角は2010年のベネズエラ大会、里は14年の宮崎大会でMVPに輝くなど、ここまで4連覇の原動力となってきた。

 マドンナジャパンの投手陣の誰もが里に憧れる。里の投球を食い入るように見つめ、教えを請う若手たち。しかし、ただ経験豊富で投球にたけているだけで、ここまで慕われることはない。

 8月13日の強化合宿。愛媛県松山市のグラウンドはうだるような熱波に見舞われた。しかし、限られた時間の中、大倉孝一監督(53)はチームを仕上げるべく、内野守備の連係、サインプレーの確認を徹底的に敢行した。

 肩で息をしながらプレーを反復する選手たちのところへ、ペットボトルの水を抱えられるだけ抱えて持って行く、大エース・里の姿があった。

 「野手が休憩を取る時間はない。ピッチャーには少し余裕がある。だったら私がやればいいんですよ」と笑う。マウンドでの圧倒的な存在感と気さくさのギャップ。

 「優勝の瞬間、キャッチャーと抱き合いたい。でも、もし決勝戦で投げなくても、5連覇に関われたなら、私にとっては大きなプラスです」と言い切る。だからこそやっぱり、“ここぞ”のマウンドは里に託したくなるのだ。

 そして、六角。例年に比べトレードマークの笑顔は減ったかもしれない。なぜか。

 「危機感を持ってます」

 一つは、海外勢。第1、2回優勝の米国がかなりの強化を図っているという情報なども伝わってきている。加えて自身の立場だ。

 「自分がまとめなきゃいけない。若い選手たちの準備は足りているのか、彼女たちの力をどう発揮させるのか」という。

 「大倉監督の野球をまず、自分がやる。そして、他のベテランの皆さんの負担が減るよう若手にどんどん声を掛けていく」

 やるべきことが倍に増えた。その分、無邪気に笑っていられる時間は減った。

 自身の調整、マドンナジャパン告知イベント出席など、多忙だ。「ゲーマーなんです」と、最近ならポケモンGOでのレアポケモン集めがいい息抜きになっているという。

 そして本番。この二役を果たし、里とのコンビネーションが機能した時、マドンナジャパンは5連覇を手にし、六角の最高の笑顔がはじけるはずだ。

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