早実に浸透中の清宮イズム、体幹トレに「忘れる技術」

6回無死、左線2塁打を放つ早稲田実業・清宮=多摩一本杉球場(撮影・三好信也)
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 「秋季高校野球・東京都大会ブロック代表決定戦、早実12-0立志舎」(10日、多摩一本杉球場)

 早実は、清宮幸太郎内野手(2年)の主将としては公式戦初本塁打となる先制2ランなどで勝利し、10月8日開幕の本大会出場を決めた。新チームとなってからの約1カ月では清宮イズムとでも言うべき“らしさ”もチームに浸透してきている。

 3日の八王子桑志との初戦に続くコールド勝利で順調な滑り出しを見せた。来春の選抜へつながる秋の本大会へ清宮は「いけると思っています。しっかりピッチャーも投げ込んできているし、バッターも振り込んできているので、絶対(来春、甲子園に)行ってやろうという気持ちでいます」と自信を深めている。

 新主将となってから、清宮は自分を含めた選手の意識改革に取り組んでいる。チームのスローガン「GO!GO!GO!」を打ち出し、投手は球速を5キロ、野手は打球の飛距離を5メートル、そして全員が体重を5キロアップさせるという具体的な数値目標を掲げたのもその一環。そこから、その目標をどうしたら達成できるか、と考え、トレーナーと相談した上で、チーム練習に組み込まれていた体幹トレーニングの種類を10種類前後から20種類前後に倍増させた。

 その効果を感じている一人が、この日、清宮とのアベック弾となる3ランを放った1年生4番の野村大樹だ。「みんな飛距離が上がっている。自分の中でも上がっていると(感じる)」。自身の本塁打も「(バットの)先っちょ」の当たりで「入ると思わなかった」という。まだ新チームに切り替わってから間もないが、成長の足がかりとなっているとは言えそうだ。

 清宮はこれ以外にも練習の「マンネリ化」を感じ取り「自分もそういうところがあった」と反省。それぞれの練習前に、「何のためにやるのか」、「何を向上させるのか」をほかの選手に説明してから取り組むようにしたと明かす。立志舎戦では、送りバントをミスしたチームメートが悔しさを消化しきれていないのを見て「(自分たちが)一流の選手になるためには忘れる技術もそのうちの一つ」と円陣で声をかけ、「全然、(ミスを)忘れていいから次にもっと進もう」と盛り上げたという。

 こうした工夫をしたからといって、必ずしも甲子園に行けるわけではない。当然、他のチームもそれぞれに努力をしている。早実もまた、清宮なりの考えを踏まえて、甲子園への道のりを歩き始めている。

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