大阪桐蔭の山本ダンテ武蔵が大活躍 西谷監督「オコエに負けるな」
「秋季高校野球大阪大会・2回戦、大阪桐蔭14-1和泉」(17日、久宝寺球場)
3年連続のセンバツ出場を目指す大阪桐蔭が、12安打14得点で初戦をコールド発進。今大会が公式戦デビューで、米国人の父を持つ3番・山本ダンテ武蔵外野手(2年)が、3打数3安打2打点、1盗塁の活躍で強力打線をけん引した。
初回の第1打席で中前適時打を放つと、打者一巡で回ってきた2死二塁の第2打席でも左前適時打を放った山本。第3打席では左中間を真っ二つに破る二塁打を放ち、「自分にとっては1打席、1打席が勝負なので」と力を込める。
テークバックや打ちに行く際に体の動きが少ないため、ミスショットが少ない。加えて中学時代に6秒1をたたき出した俊足も魅力の選手だ。だが一つ上の世代では一度も公式戦でベンチ入りできず、新チームがスタートしても当初はレギュラーではなかった。
それでも練習試合で代打など数少ないチャンスをものにし、結果を残してきた。新チーム初の公式戦では3番に抜てき。西谷浩一監督は「まだ打順を固定できていないけど、ダンテは練習試合からずっと結果を出してきたので」と起用理由を説明する。
山本には忘れられない指揮官からのゲキがある。昨夏、甲子園でナイジェリア人を父に持つ関東第一のオコエ瑠偉(現・楽天)が大活躍。その後、U-18日本代表で西谷監督から直接指導を受け、飛躍的に打撃技術を向上させた。オコエの活躍を間近で見た指揮官から「お前はオコエを抜けるように頑張れ。負けるな!」とゲキを飛ばされたという。
「自分たちは1年生の時から力がないと言われてきた。力がないなら、力を合わせてやっていこうと。まとまって力を出せるように」と力を込めた山本。米国軍人の父が大相撲・武蔵丸のファンだったことから、「武蔵」と名付けられ、広島県の江田島で育った。
今までスポットライトを浴びることがなかったニューヒーローが、3年連続となるセンバツの舞台へ-。自慢の強力打線を引っ張っていく。