DeNA三浦引退会見(2)「25年もやるとは思っていませんでした」
DeNAの三浦大輔投手(42)が20日、横浜市内で会見を開き、今季限りでの引退を発表した。プロ野球現役最年長で、23年連続勝利はプロ野球タイ記録。会見では時折、涙を浮かべながら心境を語った。会見の一問一答は以下の通り。
-決断にあたって、どなたかに相談は。
「もちろん家族には話はしましたし。最終的には自分で決めました」
-引退すると決めた時の奥さんの反応は。
「残念がっていましたね。女房もそうですけど、子供たちもまだできるんじゃないのって気持ちもあったんですけど、でもやっぱりプロの世界は厳しいですから、その辺はしっかりと言って、やり残したことがないように精いっぱいやると決めて、この間の甲子園もわざわざ見に来てくれましたから。その前で投げられたのはよかったですね」
-チームメートにはいつ伝えたのか。
「昨日の試合後に伝えました。昨日の試合後に、会見前にみんなに言いたかったので。その前にクライマックスが決まって、正直ホッとしましたし、決まった後の喜んでいるロッカーで、こういう報告はどうかなと思ったんですけど、チームメートに伝えられてよかったです」
-どういった言葉を掛けられたか。
「僕も正直『引退します』ということは言ったんですけど、その後途中から、何を言ってるのか分からなくなって、自分自身も。それでも伝えた後、『本当ですか、まだ辞めないでくださいと』と後輩に、今日もグラウンドで練習した時も言われましたから、それはうれしかったですけど」
-本当に長い間現役を続けられた支えは。
「まさか、プロ入った時に25年もやるとは思っていませんでしたけど。本当に1年1年勝負だと思ってやってきましたし、打たれたら悔しい、もう負けたくない、悔しい、勝ちたいという気持ちがあったからこそ苦しい練習もできましたし。試合で勝った時に、たくさんのファンの方が喜んでくれた。あれが一番うれしかったですね。あそこにもう一度立って、一緒に喜びたい。負けたら悔しいから、もっと練習するしかないと思ってやってきた25年間でしたね」
-25年を振り返って一番の思い出は。
「一つにはなかなか絞れないですけど、98年に優勝した時、優勝ってこれだけうれしいものかと。すべてが報われたというか、1年間のしんどいことが吹き飛んだというか。98年の優勝は、それだけ最高でしたね」
-98年の優勝を知っている最後の選手。強くなる過程も知っているが、今のDeNAを見てどう感じるか。
「98年は98年の良さがあったと思いますし、今年はチームでの自分の立ち位置もあの時は全然違いますので。ただ、苦しい時があったからこそ、今のハマスタ、ベイスターズを見ていると本当にうれしいですね。いいチームになってきたと。昨日の試合でもそうですけど。横浜-広島戦で、何年か前はあれだけお客さんは入っていなかったですし、レフト側、三塁側を見ると真っ赤に染まって、バックネットから一塁側、ライトスタンドはブルーに染まって、満員の中でプレーできているということは、プロ野球選手にとっては最高のことだと思いますし。本当に何年か前はガラガラで、いろいろ苦しい時期もありましたけど。僕ひとりではどうしようもなかったことですけど、FAで横浜に残って、横浜をいいチームにしたいと、あの時は思って、小さな力でしたけど、横浜がどんどん変わっていくのを見てきて、本当にうれしく思っています」