ソフトバンク松坂大乱調1回5失点 10年ぶり1軍登板も往年の面影なし
「楽天7-0ソフトバンク」(2日、コボスタ宮城)
「平成の怪物」に往年の面影はなかった。レギュラーシーズン最終戦。10年ぶりにたどり着いた日本の1軍マウンドでソフトバンク・松坂大輔投手がうなだれた。八回の1イニングを3安打4四死球5失点。「緊張感はもちろんあった。望んだ結果ではなかったが、投げられたのは良かった」。大乱調の39球を前向きに受け止めた。
西武時代の2006年10月7日、ソフトバンクとのプレーオフ(当時)以来の1軍公式戦。敵地に響いた「松坂」のアナウンスに、観客が沸いた。第1球は143キロの直球でボール。制球が定まらず四球で嶋を歩かせ、続く島内への初球は死球。代打で登場した松井稼との「元西武」対決でも初球で死球を与え、無死満塁となった。
押し出し四球で1点を失うと、1死後に3連打。ストライクを取りにいった球を簡単に打ち返された。試合後、工藤監督は監督室でポストシーズンでの出番はないことを通告。「落ち込むより反省して次に生かすか。くじけないで前を向いてやっていけるか」と来季の再起を促した。
昨夏に右肩を手術。日本球界復帰2年目の今季も複数の箇所の不調に悩まされた。36歳になった9月13日には太宰府天満宮で神頼みもした。「また筑後(のファーム施設)で来年に向けてしっかり一からつくり上げる」。先の見えない孤独な戦いへ、気持ちを奮い立たせた。