【はい上がったDeNA】ロペスを復活させたラミレス監督との絆
DeNAは今季、11年ぶりのAクラスとなる3位に入り、球団史上初めてCSに進出する。長きにわたる低迷を抜けだし、上昇に転じた要因はどこにあったのかを検証する。第3回はホセ・ロペス内野手(32)を取り上げる。シーズン終盤に見せた爆発的な活躍の裏には、ラミレス監督との強い絆があった。
終盤の追い込みは驚異的だった。8月までは22本塁打だったが、9月の1カ月で12発を量産。34本塁打は、来日4年目で最多。打率は・263に終わったものの、打点95も同じくキャリアハイ。ポイントゲッターとしての働きは大きかった。
順風満帆だったわけではない。3・4月は打率・210と、最悪のスタート。5月は・319と持ち直したが、今度はアクシデントに見舞われた。6月8日の練習中に左足親指を骨折し、同月10日に出場選手登録抹消。7月4日に戦列復帰したが完全復活とはいかず、8月は月間打率・233と、またしても不振に陥った。
ここから急上昇に転じたターニングポイントがあった。7試合連続無安打で迎えた8月25日の阪神戦。ラミレス監督はロペスを5番から3番へ、あえて打順を上げた。「筒香の前を打つことで、相手は(四球を嫌がり)ストライクで勝負してくる」。ロペスはこの試合で一発を放つと、シーズン終了までに14本塁打を量産。指揮官の狙いは当たり、またロペスは指揮官の信頼に応えた。
ラミレス監督はロペスの復調した要因を、こう述べている。「僕の信頼があるからだと思う。違う監督だったら、どこかで2軍に落としていただろう。彼を1軍でキープし、3番で使ったことが彼のいい結果につながっていると思う」。見限ることなく、信頼し続けた。ロペスも「(ラミレス監督と)毎日話しているし、信じて使ってくれる。自分の助けになっている」と言う。
13年から2年、巨人でプレーしたが自由契約となり、昨年からDeNAにプレーの場を求めた。その古巣と、CSファーストSで激突する。その巨人に対して今季、対戦打率・330、出塁率・368と、セ・リーグ5球団との対戦で最高の数字を残している。8本塁打も、カード別ではヤクルト戦の9本に次ぐ本数だ。
レギュラーシーズン終了後には、新たに来季から2年契約を締結。「巨人から移籍して、いい仕事ができている。ここは若い選手たちと楽しく野球ができているイメージ。いいチームだと思う」と話している。CSでのキープレーヤーの一人だ。(データはスタッツ・ジャパン提供)