清水直行氏がNZから願う「野球の国際化」
9月26日、日本野球機構(NPB)と独立行政法人国際協力機構(JICA)が会見を開き、野球普及・振興事業へ連携協力をしていくと発表した。
今後はプロ野球12球団とNPBが作成した指導用教材を中南米、アフリカ地域へもJICAを通じて配布。そして学生野球資格回復制度研修会で、プロ野球OB向けて海外の地で活動するJICAボランティアへの応募勧奨も可能となった。
野球途上国へ指導用教材などの配布も大事な一歩。だが、さらに野球の国際化を進めるために重要なのは『人』の力。プロ経験者の海外派遣が実現できれば大きな一歩だ。
プロOBの野球振興に関しては、そうした動きに先駆けて活躍する人物もいる。元ロッテで現在ニュージーランド野球協会のGM補佐を務める清水直行氏。今年7月から福島で開催された「U-15ワールドカップ」ではニュージーランド代表監督として凱旋(がいせん)も果たした。
印象的だったのは千葉県内での大会前合宿。練習試合を行った明友硬式野球倶楽部と、ニュージーランド代表の選手が自然と会話を交わしていた。「この光景を見たかったんですよ」。両国の選手を見つめ、清水氏は柔らかな笑みを浮かべる。
日本の子供たちが野球というツールを通して英語を駆使したコミュニケーションを図る。ニュージーランドの選手たちも同様。合宿期間は4日。それでも、最終日にはすっかり打ち解けていた。福島に移動後は侍ジャパンの協力を得て、U-15日本代表との練習試合も実現。力の差を見せつけられながら「いい経験になる。でも、これは最初のきっかけ。ここからがスタート」と清水氏は話した。
小さくも確かな前進に「ニュージーランドでは、この世代が未来を担っているんです。2025年のWBCぐらい(の時期)が1つの結果かなと思う。その頃、タイミングが合えば代表監督をやりたい。この子たちと一緒にね」と夢を描く。
2020年の東京五輪で野球は種目復活を果たした。それでも清水氏は「(国際化は)まだでしょう。思いのある元プロ野球選手が育て、作っていく。スポットではなく、子供たちの成長も見ながら」と自らに続く指導者の出現を願った。
ただ、道のりが平たんだったわけではない。清水氏が収入のめどもなく、野球普及のためにニュージーランドへ渡り約3年。スポンサー集めに奔走し、U-15世代の代表招集では保護者の理解を得るための説得まで、まさに手作りで環境整備へ尽力してきたからだ。
「収入がないことに不安はありましたね」と清水氏。後に続く者が出るためには金銭面を含めたバックアップが不可欠。NPBとJICAの提携を機に、12球団を含めた球界全体で、志ある人材を海外へ送り出す形が構築されることを望みたい。(デイリースポーツ・中田康博)
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