ロッテ涌井に気負いなし“下克上”へ先陣「勝てればいい」
CSファーストS第1戦(8日・ヤフオクドーム)を前に、エースはどこまでもクールだった。気負いも緊張感もない。確かな実績を背に、ロッテ・涌井秀章投手は静かに言った。
「これといって特別ありません。(チームが)勝てればいいと思っています」
昨年の日本ハムとのCSファーストS第3戦。七回途中1失点で勝利投手となり、ファイナルS進出の原動力となった。
そして今年は先陣を切る。8月21日の西武戦で10勝目を挙げた後、5試合勝てないままシーズンを終えたが、以後は間合い、投球フォームを修正してきた。「しっかり調整してきたので、気持ちに余裕がある」と自信を持って臨む。
「一人でも多く投げて、楽な場面で次につなげればいい」。立ち上がりからギア全開で挑み、優位な場面で勝利のバトンを渡す絵図を整えた。
「イニングや球数を抑えることはない。明日の試合だけを考えていく」と落合投手コーチ。エース右腕の躍動が、次のステージに導く。