進学校の北野、大阪桐蔭に屈するも21世紀枠の選出候補基準を満たす
「秋季高校野球大阪大会・準々決勝、大阪桐蔭7-0北野」(8日、舞洲ベースボールスタジアム)
1957年夏以来、59年ぶりとなる大阪4強を目指した北野は、大阪桐蔭に七回コールドで敗れた。小谷内和宏監督(29)は「(大阪桐蔭と)対戦したのは初めてです。牧野は初回から向かっていってくれた」とエースをたたえた。
相手は全国屈指の名門。シートノックの段階からチームには緊張した様子が見て取れた。そのため「試合前に冗談を言って、何とか緊張をほぐしてからゲームに入ろうと」と指揮官。中盤までは2-0の接戦に持ち込んだが、五回以降につかまってしまった。それでもエース・牧野斗威(とうい)投手(2年)について「この1カ月でグッと成長してくれた」と目を細める。
牧野は腕の振りが力強く、130キロ台の直球とスライダーを駆使して大阪桐蔭打線を手こずらせた。最終的には地力の差で点差が開いたものの、三回、四回と2イニング連続で三者凡退に抑えた。
北野は大阪でも屈指の進学校。橋下徹前大阪市長など、政界、財界など各分野に多くの人材を輩出している。グラウンドは各部活動で割り当てが決まっており、野球部が全面を使えるのは木曜日しかない。
それでも工夫を重ね「全部を言わず、なるべく選手たちで考えさせるようにしている」と小谷内監督。平日は2時間半しか練習時間が取れない中、文武両道で大阪大会の8強まで進出してきた。勝ち進むに連れて周囲から励ましの声が入るようになり「OB会の方々には普段からアドバイスをもらっている。サッカー部もきょうは応援に来てくれました。みなさんに支えてもらっている」と明かす。
来春センバツに向け、大阪でベスト8に進出したことで21世紀枠の選出候補に入る基準を満たした。「周りからは言われますけど、21世紀枠とかは考えずにやっていきます。そこまでの実力もないので」と語った指揮官。1949年のセンバツでは優勝した実績を持つ北野。半世紀ぶりの聖地へ、秀才軍団に春の吉報は届くか-。