ソフトバンク今宮千金V打!右肘痛でV逸戦欠場も“神の手”で復活
「パCSファーストS・第1戦、ソフトバンク4-3ロッテ」(8日、ヤフオクドーム)
クライマックスシリーズ(CS)は8日、セ、パ両リーグのファーストステージ(3試合制)が開幕し、パは同2位のソフトバンクが同3位のロッテに4-3で競り勝った。9日の第2戦でソフトバンクは勝つか引き分ければ3年連続でのファイナルステージ進出が決まる。
打球が三遊間を抜けた瞬間、雄たけびを上げて右拳を突き上げた。八回1死満塁。ソフトバンク・今宮健太内野手が内の外角スライダーに食らいついた。「必死だった。バットに当てさえしたら何とかなると」。値千金の決勝2点打。右肘痛でCS出場も危ぶまれた男が勝利を引き寄せた。
9月27日のロッテ戦前。今季終盤から抱える右肘痛が限界に達し、工藤監督に「投げられません」と申し出た。治療のため福岡に戻ったが、翌28日にV逸が決定。「優勝を決めた時にその場にいないよりショックだった」。携帯電話で見たシーンは、想像以上の悔しさだった。
レギュラーシーズンのラスト4試合は欠場。右肘内部の遊離体が関節に触れて「(肘が)ロックされた感じ」。症状的にCS出場も危ぶまれたが、工藤監督は「守備の要。何度も助けられた」と出場選手登録を抹消することなく、不動の遊撃手の回復を待った。
「大して打っていない僕でも待ってもらった。期待に応えたかった。打てなかったら、戻った意味がないので打ててよかった」。レギュラーシーズン最終戦後にチームを離れ、細川に紹介された東京都内の治療院に足を運んだ。男子ゴルフ・石川遼の復活Vを支えた“神の手”の持ち主の治療で「だいぶ動くようになった」。ギリギリでCS出場への光が差した。
07年に現行のCSが始まって以降、パ・リーグのファーストSは全て初戦を勝ったチームが突破している。「切り替えて、また明日!」と工藤監督。札幌行きは第2戦で決める。