巨人・鈴木「スッキリ」引退 超一流の美学貫く
巨人・鈴木尚広外野手(38)が13日、都内ホテルで引退会見を開いた。巨人一筋20年の現役生活に区切りをつけ「スッキリしたという一言。もう悔いはありません」と、晴れやかな表情を浮かべた。
重い決断を下した。「体力的、技術的には僕の中で上がっている。でも、心が離れていった。ぎりぎりの勝負をする世界で、僕の仕事は一発勝負。心技体、どれかひとつ欠けると勝負できない」。今季も代走の切り札として衰えぬ走力を発揮し、失敗なしの10盗塁。来季も戦力として計算されていたが、超一流の美学を貫いた。
10日のDeNAとのCSファーストS第3戦では、同点の九回無死一塁から代走で出場し、まさかのけん制死。流れは相手に傾き、延長の末に敗れた。ただ、現役最後のシーンが引退の決め手になったことは否定し「今年に入り引き際をどうするか、そういう葛藤の中でいたシーズンだった」と、打ち明けた。
14年には規定打席に達したことのない選手として、史上初の200盗塁をマーク。今後は未定だが「ゆくゆくはチームに恩返しができる人材になり、少しでも多くの選手に携われる仕事を目指している」と、指導者への興味も示した。球史に名を残した走塁のスペシャリスト。惜しまれながら、第2の人生のスタートを切る。