ドラフトのパ?近年は5球団以上競合で負けなし 田中、佐々木もパ球団
「プロ野球ドラフト会議」(20日、グランドプリンスホテル新高輪)
創価大の田中正義投手を広島、巨人、日本ハム、ソフトバンク、ロッテの5球団が指名しソフトバンクが交渉権を獲得。1位指名選手の交渉権を得られなかった5球団が今度は桜美林大・佐々木千隼投手に集中。広島、巨人、DeNA、日本ハム、ロッテのうち、ロッテがくじを引き当てた。気になるのはこのくじ運。競合が5球団以上になると、近年はパ・リーグの球団がことごとく当たりを引き当てている。
高校生と大学生・社会人に分離されていたドラフト会議が統合された08年以降で見ると、セとパ両方の球団が指名し競合したのは今年を含めて26例。このうち、2球団が競合したケースはパが7度、セが6度の交渉権獲得と拮抗しているが、3球団だと5例中3例、4球団は3例中2例、さらに5球団の3例、6球団の2例はすべてパ・リーグの球団がくじを引き当てている。
もちろん、競合球団の内訳がパに偏っていれば、このような統計は意味がないが、そうとも限らない。
【4球団競合】※●の球団が交渉権獲得、以下同様。
(14年)有原航平投手 ▽パ1 ●日本ハム▽セ3 広島、DeNA、阪神
(12年)藤浪晋太郎投手 ▽パ2 ロッテ、オリックス▽セ2 ●阪神、ヤクルト
(10年)斎藤佑樹投手 ▽パ3 ●日本ハム、ソフトバンク、ロッテ▽セ1 ヤクルト
【5球団競合】
(16年)田中正義投手 ▽パ3 日本ハム、●ソフトバンク、ロッテ▽セ2 広島、巨人
(16年)佐々木千隼投手 ▽パ2 日本ハム、●ロッテ▽セ3 広島、巨人、DeNA
(13年)松井裕樹投手 ▽パ3 日本ハム、ソフトバンク、●楽天▽セ2 中日、DeNA
【6球団競合】
(10年)大石達也投手 ▽パ3 ●西武、楽天、オリックス▽セ3 広島、横浜、阪神
(09年)菊池雄星投手 ▽パ3 日本ハム、●西武、楽天▽セ3 阪神、ヤクルト、中日
パの球団が極端に多かったケースはなく、ほぼ同じ条件での抽選となっている。中でも09年菊池、10年大石はどちらも当時の渡辺久信監督が引き当てる強運ぶりを発揮した。
現在シニアディレクターに就任している渡辺氏は今年、重複が出た場合にくじを引く予定になっていたが、単独で今夏甲子園で優勝した作新学院の今井達也投手を一本釣り。“神の右腕”の出番はなかった。