“清宮封じ”破った 早実一丸コールド勝ちで8強入り
「秋季高校野球東京都大会・3回戦、早実12-2片倉」(23日、ダイワハウススタジアム八王子)
早実が8強入りした。怪物スラッガー・清宮幸太郎内野手(2年)は2打数1安打1打点で、公式戦4試合連続本塁打はならなかった。“清宮封じ”を狙った変則サイド左腕に空振り三振を喫する場面もあったが、味方打線が爆発。五回コールドで圧勝した。29日の準々決勝では、3季連続甲子園出場中の関東第一と激突する。
我慢するのも主砲の仕事だ。包囲網はチーム全員で打ち破った。「みんな打ってくれて、しっかりコールドで勝てた。今までの試合と違った成果が出た」。主将の顔で、清宮は勝利に納得した。
相手の先発は変則左腕。早実戦を想定した3週間前からサイドスローに変えて“清宮封じ”を狙ってきた。初回は2球あったストライクを見逃し、スライダーで空振り三振。いったん降板しても、打席が巡ると、一塁から再登板してきた。
それでも、動じなかった。下位打線の集中打で二回に7点を挙げて攻略。三回2死満塁では、自身も冷静に押し出し四球を選んだ。「チーム方針として選球眼と言っている。自分がそういう姿勢を見せていかないと。次の打席につなげられたらいい」。打ち気にはやって打撃を崩さない。大人になりつつある。
一発こそ出なかったものの、五回には痛烈な右前打。視察した阪神・畑山統括スカウト補佐は「最後の打席はしっかりとらえていた。これからも見ていきたい」と期待した。
この日に向け、清宮は「負けたら終わり。出せる力をすべて出して勝とう!」と、仲間を鼓舞し続けたという。センバツ確実となる優勝まであと3勝。「勝つにつれて甲子園は近づいてくるけど、自分たちの野球はかわらない」。自信を持って、強豪・関東第一との対決に臨む。