大谷が黒田を撃つ 栗山監督が大予言「バトンタッチする感じがある」
「日本シリーズ・第3戦、日本ハム-広島」(25日、札幌ドーム)
日本ハム・栗山英樹監督(55)は24日、日本シリーズ第3戦に野手でスタメン出場する大谷翔平投手(22)の黒田攻略を予言した。二刀流と今季限りで引退するレジェンド右腕のプロ初対決を、1991年夏場所で貴花田が千代の富士を破り、現役引退を決意させた大一番に重ね、若武者の躍動に期待を寄せた。
平成の二刀流とレジェンド右腕。「3番・指名打者」での出場が有力な大谷と、現役最後の登板となる可能性がある黒田が対峙(たいじ)する第3戦を前に、栗山監督は大相撲史に残る名勝負を思い起こしていた。
「千代の富士さんが貴乃花(貴花田)に負ける。そういうバトンタッチする感じがあるんだ」
1991年夏場所、18歳の貴花田が35歳の大横綱を寄り切りで破った大一番。その2日後に千代の富士は現役引退を表明し、角界の世代交代を印象づけた。当時スポーツキャスターとして活躍していた指揮官はその歴史的な一戦と大谷、黒田の初遭遇に、同じにおいを感じていた。
「生きざまを含め、尊敬できる野球人と一緒にプレーできるのは大きな意味があると思っている」。超一流のオーラに触れ、自ら打ち砕くことで新旧交代を実現する。栗山監督はそんな一戦になると予告した。
黒田に対し、尊敬の念を抱く大谷もプロ初対決を心待ちにする。「こういう機会ですから楽しみです。結果を残せればいいですけど、まずは最低限の仕事をきっちりしたいです」。19歳差対決。かつての貴花田のように、横綱・黒田に胸を借りるつもりでぶつかる覚悟だ。
敵地で連敗スタートも、栗山監督は頂点奪取を諦めてはいない。「クロ(黒田)の力を借りることができるような気がする。一つ流れがくれば、連勝できる可能性があるチームと信じている」。大谷の野手出場で厚みを増した打線で黒田を攻略し、逆転日本一への第一歩を踏み出す。