日本ハム・レアード2勝2敗タイに導くすし弾 天国の祖父へ届ける一撃
「日本シリーズ・第4戦、日本ハム3-1広島」(26日、札幌ドーム)
天国の祖父へ届ける一撃が、ファンの大声援を乗せてスタンドへ消えた。本塁打王に輝いた日本ハム・レアードが、またも勝負どころで大きな一発を放った。
「もう最高の気分です。こんなにみんなが盛り上がってくれて最高です」。札幌の地が熱く燃えた場面は、同点の八回2死一塁。広島・ジャクソンのスライダーが甘く入ったのを見逃さず振り抜いた一打は、中堅左へ飛び込む決勝2ランとなった。
直前まで3打席無安打。微妙な判定もあり、栗山監督が「ちょっとイライラしていたので、ベンチからイライラするなと声を掛けていた」という。だが、ここ一番の場面で、レアードは冷静さを取り戻していた。
「(ジャクソンは)ピンチの時、特にスライダーが決め球になる。スライダーを待っていました」。冷静な読みと決断が生んだ本塁打。これには指揮官も「久しぶりに興奮しました」と最強助っ人に最敬礼だ。
最愛の人との約束を果たすため、極限の集中力を持って臨んだ。CSファイナルSの直前、体調を崩した祖父・ジェラルドさんを見舞うため一時帰国。「絶対に日本シリーズで優勝する」と誓い、最期を見届けた。
一塁ベースを回ったところで右手を天高く突き上げ、この日の試合前、打撃グローブの手首部分に書き込んだ「grandpa」の文字にキスをした。
ただ、ベンチに帰るといつもの表情に戻り、テレビカメラの前で焼き鳥を焼く格好をする「焼き鳥ポーズ」を披露。お立ち台では「ファイターズ、大スシーッ(大好き)」のダジャレで笑いを取った。
2勝2敗のタイに導き「2連勝で(チームの)緊張は完全になくなったよ」とレアード。その打撃、その笑顔が、頂点への道を明るく照らした。