「秋季東京都高校野球大会・準々決勝、早実８－４関東第一」（２９日、ダイワハウススタジアム八王子）

　来春の選抜大会出場を目指し、昨夏に全国４強入りした両校が激突。早実が３季連続で甲子園に出場中だった関東第一を破り４強入り。３０日の準決勝（神宮第二）では国士舘と対戦する。

　主将・清宮幸太郎内野手（２年）は「３番・一塁」で先発出場し、５打席３打数無安打。公式戦では１年生春から３１試合目（国体、Ｕ－１８日本代表を除く）にして初のノーヒット・ゲームとなった。

　清宮は試合後、「この１週間は関一だけに向けてやってきた。チーム力で勝てたことが大きい。ヤマ場ではあったが、それでも変わらずに自分たちの野球をしようと話してきた。（公式戦初のノーヒットは）分かっていたが、いつかは終わるだろうと思っていた。四球や死球で出られたし、勝てたことの方がもちろんうれしい」などと語った。

　この日の清宮は初回の第１打席は１死一塁でニゴロに倒れた。関東第一の先発右腕で主将の高橋晴投手（２年）に対し、フルカウントからの７球目、内角低めの速球にバットを詰まらせられた。しかし、早実はこの回、２死二、三塁から５番・小西優喜外野手（２年）の左中間適時二塁打で２点を先制した。

　２－０での三回の第２打席は２死二塁で勝負を避けられ、ストレートの四球で出塁。早実はこの回、２死満塁から高橋の二塁けん制悪送球により１点を追加。四回は下位打線の３連打で１点。六回にはスクイズを成功させて１点を追加した。

　清宮は４－０での五回の第３打席は先頭で見逃しの三振に倒れた。カウント２－２から高橋の内角速球にバットが出なかった。

　５－０での七回の第４打席は先頭で左飛。２番手右腕の小川樹投手（２年）に対し、３ボール１ストライクから外角球で打ち取られた。

　５－１での九回の第５打席は無死一塁から死球で出塁。２ボール１ストライクからの内角球がユニホームをかすめた。早実はこの回、３点を加えた。

　清宮はこの試合までに高校通算７４本塁打を記録。早実ナインは試合前、三塁側ベンチ裏で清宮主将を中心に雄たけびを上げて結束を高めていた。清宮はまた、七回の守備で一塁側フェンスに激突しながらファウルフライを好捕した。

　この日の早実は先発右腕の中川広渡投手（１年）が緩急を織り交ぜる投球で６回４安打無失点と好投。五回１死一、二塁のピンチではマウンドに内野陣が集まり、清宮主将に肩をたたかれて激励されると、その直後を三ゴロ併殺で切り抜けた。